モルディブの都市部には、DIYに使える工具などが買えるハードウエアショップが乱立。
その理由には、この国ならではの事情があります。
埋め立て等で土地を拡張したり、古い家を現代建築の家やビルに建て替えているケースが多いため、この国はもう10年以上も建築ラッシュ。その上、建築レベルが低いので「水漏れだー」「漏電だー」など、割と頻繁に不具合が生じます。
家電も低品質なモノが出回っている上、コンセントから流れてくる電流が安定しないため、バチッと火花が散って家電が突然ご臨終、、、なんてことも。
そんな時に、皆さんならどうします?
「大家か業者(家電が不良品の時には販売店など)に連絡!」が日本なら正解でしょうが、コチラでは「限りなく不正解に近い△」です。
南国モルディブでは、誰もがのんびり。
大家も業者も「行くよー」と言って、なかなか来ません。
おまけに運悪くラマダン(イスラム教の断食月)だったりすると、「日中は空腹、夜はパーティで忙しい」と、官民問わず1ヶ月ほど国全体がほぼ機能停止。そんな時期に急かし過ぎるのも無粋ですし、ラマダン後のイード(断食明けのお正月休暇みたいなもの)が終わるまでは、どうしようもないでしょう。
そんな「のんびり」〜「停止」状態がスタンダードの国で、他人に頼っていても自分が困るだけ。
業者がお茶飲んでまったりしている間にも、水も電気も漏れ続けますからね。
そんな事情から、モルディブ人は自分で何でも直します。
自分自身ができなくても、親類や友人に1人くらいは「何でも治せるおじさん」というのがいて、助けてくれます。
※そもそも、大概の業者もさして技術に長けておらず、「1カ所直して、1箇所壊して帰る」感じですから、素人のおじさんにお願いしても成果に大差はなし。
なので、一般家庭にも工具が普及しており、ハードウエアショップもウハウハと立ち並ぶわけです。
そんなハードウエアショップでよく見かける工具ブランドの1つがmetabo(メタボ)。
ドイツの工具メーカーで、日本のMakita(マキタ)のような感じ。グローバル展開にも積極的な大手企業なのに日本展開していない、、、と思ったら、2015年11月に日立工機社の子会社になったとのこと。そこら辺に事情がありそうですね。
そのメタボ、初めて目にした時に「うふっ」と思った程度でスルーしていたのですが、ある日、知り合いが見せてきた1枚のスマホ写真で目が覚めました。
「コレ知ってる? メタボの扇風機。」
まさに、掃除機やブルートゥーススピーカーが人気のMakita(マキタ)と同じ。
メタボも工具メーカーならではの家電等を作っていたのです。
(画像出典:メタボ公式HP)
…可愛いじゃないか。コードレスだし。
「欲しい!部屋に置いてツッコミ待ちしたい!!」
と、小太りな私が興奮したことは、想像に難くないでしょう。
実際にお店で確認したら、安っぽさゼロで本当に上質な雰囲気。
工事現場での使用を想定した商品というだけあって質実剛健な作りで、メタルフレーム+ブラックの羽にモスグリーンロゴがクール。そこはかとなくドイツっぽい佇まい。
コードレスではない背高の扇風機もありましたが、いずれも同様の雰囲気です。
カタログを見てみると、ガテンな工具の中にキラリ!と光る防寒ジャケットやらバッグやら「メタボを連れてお出かけもできるのね!」と心踊るアイテムも。
「自分用はもちろん、○○(小太り友人1)が結婚したり、□□(同2)や△△(同3)が引っ越したら贈りたい… あぁ、変圧器要るか。metaboロゴ入り変圧器ないかしら?」
と妄想は広がり、
「何なら家庭や個人で使えるアイテムを“メタボと共に生きる人のためのブランド”として日本展開をしたい… 怒る団体とかいるかな? ま、怒られる程度で済むようにすれば良いし、工具を全面に出している雰囲気にすれば避けられるような。イメージは渡辺直美さん、、、いや、彼女を超えるステキなメタボ人をプロデュースするところまでやりたいわ。あ、いや、それをやると怒られる方向か。。。そもそもブランド名にパワーがあるから、そんなにコストかけなくても、ある程度の拡販はできそうだし、コストかけてもマーケットサイズは変わらないかな。」
と、しばらく妄想遊びができるくらいまで気持ちが膨らんできました。あぁ、何て楽しそう。
とりあえず、日立工機の方とお話してみたい… メタボ担当の方に1人くらいは、同じこと考えている方がいる気がしてならなりません。当てずっぽうですが。
ちなみに、メタボ社は「work. don’t play. (働け、遊ぶな)」が以前のキャッチコピーでした。時代の流れに逆らうマッチョなコピー、好きだわ。
コピー変更のタイミングを見ると、日立工機さんNGだったのかしら、、、ともあれ、未だに「work. don’t play. 」が印字された工具入れを見かけますが、Tシャツも可愛いです。↓
ノベルティで、こんな可愛過ぎるピンズも。↓
あぁ、無限に広がるメタボの可能性。
真面目にフィージビリティを検証してみたいです。