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「天気の話」はつまらない?

「天気の話をするのは、(話題の引き出しが少ない)つまらないヤツ」なんてことも言われることもありますが、天気や天候ほど、幅広くみんなが興味を持っているコンテンツも少ないでしょう。

また、私事ではありますが、天気に詳し過ぎるうちの母親などは、こちらのニーズに沿ってあまりにも的確に天気の解説をしてきます(天気図とか頭に入れて本気で解説してきますから…)ので、まったくもって「つまらなさ」も感じません

要は「つまらない」のは天気という「コンテンツの問題ではない」ということです。

おそらく、話すことがないからと言って、無理に天気の話をしようとすると「つまらない」と断じられてしまうのでしょう。

 

広告における「天気」の活用

これは、広告など顧客コミュニケーションの場でも同じことが言えます。

例えば、自社のアプリに「毎日開いてもらいたいから」という企業サイドの都合で天気などの情報を入れたとしても、それが使用者のシーンやムードに合っていなければ「つまらない不要な情報」となってしまう可能性が高いでしょう。

しかし、既に定常的に使う習慣がついている(orつくであろう)アプリに、関連がある情報として天気が表示されるのであれば「便利な情報」などと受け止められるかもしれません。

 

Weather-Reactive Ad(英・マクドナルド)

天気を上手に活用した例として、英マクドナルドのこちらの屋外広告はどうでしょう?
Weather-Reactive Outdoor

weather reactive ads

weather reactive ads2

weather reactive ads3

「ポテト+ケチャップ」で「気温」。
太陽を模した「バーガー」は「晴れ」。
雲を模した「コーヒー(の湯気)」は「曇り」。
太陽バーガーの前に包み紙でクシャッと作った「雲」があれば「晴れ曇り」。
「ポテト」は雨で、「ソフトクリーム」は雪?
「ナゲット」は…もしかして「ヒョウ」?

…と天気や気温がわかって便利なだけでなく、マークの意味を想像するのも楽しい広告となっており、一緒に見た人SNS上での会話も弾みます

「イギリス人は天気の話が好き」とも言うので、お国柄にも合っているでしょう(日本人も、イギリス人のこと言えないくらい天気好き!な気もしますが…)。
また、駅や待ち合わせ場所など、どこかへの移動の途中で、ふと目を止める場所に設置されているのも、よく考えられていますよね。

 

The Home Weather Machine(デンマーク・SPIES)

次に、デンマークの旅行予約サイト「SPIES」のこちらの例も参考になるかもしれません。


SPIESは大手旅行会社トーマスクック傘下の企業で、世界中にバカンス客を送り出しています。
そのSPIESが、デンマークの寒い時期(12月のクリスマス頃から4月前後のイースター)に人気の渡航先の1つであるタイのビーチに「The Home Weather Machine(自宅の天気マシーン)」という機械を設置するキャンペーンを行いました。

動画の通り、デンマークからの旅行客が自宅の街タブレットに入力します。そして、機械に入ると、自宅の天気がリアルタイムで反映されるというもので、、、もう、阿鼻驚嘆です。水着姿で、冬のデンマークに放り込まれるわけですから。

このキャンペーンは、体験者その場で楽しみSNSにも投稿され、大きな話題となりました。
SPIESが顧客を楽しませるクールな企業であるというブランディングと共に「やっぱり、休みはデンマークから離れてバカンスに来ないと…」という気持ちにさせることで次のビジネス(旅行予約)につなげるような、顧客インサイトをついたキャンペーンと言えるでしょう。

 


 

いずれの広告/キャンペーンも、「天気」のような誰にでもわかる、また、誰でも多少は興味があるコンテンツは、上手に使うと広いターゲットに刺さるキャンペーンなどをつくることができるという好例。ぜひ参考にしたいですね。