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コレはとても難しいテーマですよね。
商品にしても広告にしても、事前にいくら入念な消費者調査をしたところで100%ヒットさせることは不可能ですから。

では、なぜ消費者調査をするのか? 意味はあるのか??

「調査なんてものは、商品の尖った部分をそぎ落としてしまうだけだからしない方が良い。」

と、その昔、クライアントさんに言われ、
「一理ありますね。」
と答えて、同席していた同僚を凍りつかせたこともあります。
(いや、きちんと案件成立しましたよ。先方は私よりずっとマーケティングの知見がありましたから、言わばプロレス…こういう議論も楽しいですし、頭の体操になりますよね。)

でも、これは本当に、一理あると思っています。
「消費者がこう言っているじゃないか!」と表面的な調査結果を盾に、大切な商品や広告コンセプトの崩してしまい、当たり障りはないけど面白くも何ともないモノやメッセージに落ち着いてしまうこともあります。
商品や施策が上手くいかないと「調査結果に従ったのだから」と自己保身しよとする人もゼロではありません。

しかし、それは調査の問題ではなく、担当者や組織の質の問題だと、私は思います。
つまり、調査結果を「○%の人が欲しいって言ってますー」という表面的な結果だけでなく、その背景をシビアに見極め、実際の消費行動に繋がるのか?繋げるための深刻な障壁はないか?、etc.を併せて調べ、分析し、受入れ、有効な形で組み入れてゆく力・意識・度量が組織や関係者にない場合、消費者調査が商品や広告、販促、その他の施策のパワーを削いでしまうことはあるように思います。

なので、消費者調査を充分に活かす素地が自分自身や組織にない!と判断した場合には、もしかしたら、消費者調査など意味がないかもしれませんが、そのような素地を自分自身が身につけること+組織にも広げていくことは、様々なマーケティングリスクを回避し(下手な鉄砲数打ちあたる!的なことを避ける等)、より消費者の気持ちや生活に馴染む商品を開発し、施策を打つことができるように思います。

…と、長くなってしまいましたが、消費者調査を行う前に、また、行った後で批判する前に、強く意識しておくべきこととして、自戒の念も込めて記しておきます。

その上で、私が考える有効な調査設計をしていくコツについては、その2その3で触れることにしますね。